gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

人生の意味

白くなる朝焼けの境目がとても好き。グレープフルーツジュースの味が埃まみれの部屋と一緒になる 掃除機かけなきゃ。アラームをセットした時間よりだいぶ早くに起きてしまった朝 例えばそんな朝。今日は何を着ようかなと考える。外から革靴のコツコツとする音。始まる一日!

 

曲を作っても作っても一体誰に何の為に作ってるのか分からなくて いずれ火病を起こしそう。バンドをするのか ひとりでやるのか 曲だけが溜まりに溜まって 生きてたものが死ぬ。

 

欲しかったレコードが見つかったり 行きたかったライブに行けたり 美味しいビーフカレーを食べれたりするだけで 人生の意味を感じませんか 人として 最低限度の生活のハードルを高くして ギリギリ飛び越えられるその高さで生きたい。

 

スランプなので 連続的な文章が書けない 思考の連続性が断絶される 言語活動はこういう時どうすれば良いんだろう。助けろ。飯に誘え。

パーマ

人生で初めてのパーマをかけた。

何事にも 誰にでも 初めてという機会は常について回るよ。初めてはいつだって不安でワクワクでそして少しだけ悲しくもある 少しだけな。

そんな訳で 右も左も勝手の分からない初パーマをどう乗り切るのか。これは舐められない為にも前もって準備が必要だろう!という事で色々調べた。が まったく分からない。何がどうなっててどれがどのくらいなのかどれが良くて何が駄目なのか 文字面だけではどうも伝わってこなくて 活字には自信があるはずだったんだけど ものの数分で並ぶパーマ文字に頭が痛くなった。寝た。

当日。いつも髪を切ってもらっている床屋さん もう14年間ぐらい通ってる(?) でかけてもらう事にして 川沿いをマウンテンバイクで突っ走った。春過ぎる風になってた。

いつものふかふかの椅子に座った。今日はどうするかと聞かれたから「パーマで!」とガキの勢いそのままに応えると あーはいはいみたいな感じで せっせと準備を始めた。「でどんなパーマがいいの」と急に聞くので (普通に考えてそれは聞くよね) 僕は自分の大脳辺縁系に昨日の予備知識を統括してあり得るべき答えを要求 できないので「寝癖みたいな なんか適当に」と馬鹿みたいな顔と声色で馬鹿みたいな事を言うと 少しだけ困ったようにしてから 僕の髪に霧吹きをかけ始めた。シュッ。ごめんなさい。

変色したマカロニみたいなやつで 僕の髪の毛をグルグルにしていく その間 店にあるラジオからは山下達郎の『サーカスタウン』と間宮貴子で『真夜中のジョーク』がかかって 三回のコマーシャルを挟んで ゲストとのトークが軽はずみにゴールデンウィークの半ばを駆け回ってた。ハッとすると 僕の髪の毛は全部が全部 変色したマカロニによって巻かれていた。身体のおおよそ半分を映すその鏡には おでこをまるっきり出した間抜けな自分が表象していて 泣きたい気持ちになる。

頭皮と肌の間に青いバンダナをされて 何やら得体の知れない液体をかけられた。これで髪の毛の結合を解いているんだと言われて はあ!そんなん禿げてしまうじゃん!って内心焦りながら へえそういうものなんだねえ ってスカしてた。それからよくある 情けないビニール袋みたいな包みを頭に被されて 大仰な電子レンジマシーンが登場する。ドラマでしか見た事のなかった電子レンジマシーンが自分の背後に忍び寄ると それとなく興奮した。暖かい7分間を坂口安吾の『堕落論』で溶かす。また得体の知れない液体をかけられて (これはもう一度髪の毛を結合させる為のものらしい そんな簡単に結合したり解散したりしてたまるかよと思うけどそういうものなのだろう) ワンモアセブンタイムは是非とも巷のダンスミュージックで縦ノリをキメたかったが あまり動いてはいけないらしく 堕落論に飽きた僕は居眠りした。

変色マカロニを全部外されて あられもない濡れた髪の毛が無造作にグルグル巻きになっている。前髪が無くなってしまっているし 所々頭皮丸見えだし めちゃくちゃチリチリだし もうすぐにでも亡くなりたくなった。それでも うんいい感じにかかったとかぬかすから コイツ逝ってるわ…って思いながら絶望を奥歯で噛み締めてた 悔しさをバネにとびっきりのボールペンを作ろうと決意してた。

でも 頭を洗って ドライヤーをかけると どんどん思い描いていた パーマのそのヘアになっていって 何だかめちゃくちゃ楽しかった。魔法ってのはこういうことだね。

 

大満足の初パーマを優しく撫でながら 帰りはマウンテンバイクを押して帰った。夕陽が妙に優しかった。新しい自分 みたいなよくある感覚が身体中に巡って 一人でふふふと笑った。弟に 田舎の父方のおばあちゃんみたいだと言われてうっかり殺したけど 全然満足なんでオールオッケーです。

可愛い猫

可愛い猫を飼いたい。まだ小さいその身体を抱きかかえながらダイ・シージエの『バルザックと中国の小さなお針子』を読む。そんな日々を夢にまで見る。あ〜可愛い猫〜可愛い猫しか正義じゃない。頭を撫でると目をぎゅっと閉じて 首を少し傾ける 親指を動かす形で頭を撫で続けるが 突然ぷいと僕を背にしてどこかに行ってしまう。そんな可愛い猫が可愛い。いつか大きくなって あまり動かなくなった可愛い猫 僕は大きくなったその身体をやっぱり丁寧に撫でながら「大きくなったなあ」と声をかける それに応えるようにぐうと低く唸った可愛い猫は 昔のようにぎゅっと目を閉じて そのまま目を開けない。可愛い猫はずっと可愛い。

 

ゴールデンウィークに足を取られて日常に戻れない そんな光景が明けに待つのを考えるだけで憂鬱になる 適度な課題と休息によって得られる予防線を張る。好きなカフェで好きな本を読んでいる マスターも好きだしコーヒーも好き 好きな人が一緒にとかは実はまったく思わない 好きな人なんていない。悲しくもない。割と気楽な語学の勉強をしてる感覚…

 

平成が終わるなら 世界も終わらないかな とか東松原で電車を待ちながら思ったけど まだ読み終わってない本も ライブに行けてないバンドもあるし いや終わっちゃダメだな と冷えた頭で思った。「平成最後の」(?)

セルフ文字列安眠法

寝れないので電話をかけたのに 出ないのは寝ているからで。明日も早いのは分かってた。何だか無性にお腹が空いて 空が黒いから暗くて 衣擦れの音だけが部屋の音 カップラーメンはないので 鳴る腹を抱えてグレープフルーツジュースを結構飲んだ 100%のやつ 寝ないと と思えば思うほど寝れなくなるよね なんだろうね アレ。

 

上手くいかない事ばっかりだよ 恥ずかしい事も多い もっとずっと上手いことやれないかと いつもいつも考えている。もっとなんか伝えたい事があって それは好きな人にとかだけじゃなくて 色々な人 会わなくなった人とか 新しい友達とか 大人の人にとか 伝えたい事があるんだけど 上手くいかない うんうん唸って 悩みは膨らむし一日が終わるのが早い。

 

ヒゲを伸ばしてると「真面目に気持ち悪い」と真面目な顔をして言われるので ヒゲはこまめに剃るようにしてるけれど なかなか面倒臭い そして好きな俳優がヒゲを伸ばすのは 嬉々として受け入れているのをみると 複雑な気持ちになる。怒鳴って 懲らしめたくなる。

 

カネコアヤノの「愛のまま/セゾン」のディスクツーの さいしんライブ音源で唸った!ガシガシしてるライブの感じそのまんま。祝祭のバンドセット本当にいかしてる 格好良すぎる。

 

こうして自分で産出した文字の列を見ていると眠たくなってきたような そんな気がするので そんな気がしているうちにさっさと寝てしまおうと思います。セルフ文字列安眠法。

 

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とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)

知らない人が過ぎては消えてゆく。駅名を見ようと車窓を覗くとタイミングが悪く コンクリートの無機質な柱が視界を遮った。遠い外に見える広く青い空とは相反して狭く低い屋根の車内は人間の尊厳を疑うべき構造をしている。例えばこんな時に「ああ自分は今東京にいるんだな」と今更気付いたように実感が体感として表層する。

 

「こあっと」という定食屋がある。明大前から少し外れた代田橋の方。時代錯誤のブラウン管のTVから見たことのない刑事ドラマが流れていて テーブルクロスはライトグリーンのチェック柄 とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)日替わり定食があって 親子三人で切り盛りしている。こあっとの隣にはこじんまりとしたミニストップがあり 今年の目標である"ソフトクリームめちゃくちゃ食べる"を実行するに相応しい立地のこの場所が僕はすぐに好きになった。

 

「あなたが好きだと言ったから髪を短くした」女の子の覚悟に今更気付いてアホだなって。中学生の頃 君の名字を街中で見かける度に胸が苦しかった。あの頃の感覚を取り戻せ。

 

いくら本を読んでも 自分の無知に絶望する 机の上だけで街に出ないから絶望も良くならない。煩わしいだけの人間関係はくだらないと思う。溜息。花冷えで桜がすっかり散って葉が青い。偶然に席が隣だったあの子と一度スキンシップを図ってみたい。消えかかり点滅する街灯の脇にショッキングピンクの縄跳び。安売り。鳩が何かに食い散らかされているのを見た極めてグロテスクな映像。恐怖と不安で酒と睡眠薬のファンなんで。

 

白けきった木曜6限 教育行政学の授業をシューゲイザーでぶっ殺したい衝動!

生活の風景

「新生活は鬱に注意!」みたいな新歓チラシ紛いの見出しの中吊り広告を惚けて見てる がっかりする程混み合った小田急快速急行藤沢行で退屈を紛らす手段が無くなった大学からの帰り道とか バイトの引き継ぎに向かう誰かの歌声がどこからともなく聞こえる物悲しい商店街とか 440円の油淋鶏定食を微妙に騒がしい学食でひとりで食べている時とか 家でマーチンの11.5 コンパウント弦が張られたアコースティックギターの音とか 発狂したくなる もう全部 和泉多摩川のあのゴミ箱に投げ捨てて それでビニール袋を頭から被ってマンションの3階から飛び降りたい。赤く染まったビニール袋がモザイクのその役割を担ってる様子を善良なシチズンTwitterに拡散する生活の風景。

 

ガイダンスに終結される四月の初旬をうんざりしたけど これもひとつ通過儀礼だと自己暗示(それもかなり強いやつ)をかけて 今日も生きてるよな。本当にうんざりしている。

 

夜の22時過ぎに小田急中央林間駅快速急行藤沢行に乗ろうとした。電車から出てきたサラリーマンがふと走ったと思うと かがんだエレベーターの脇で盛大に吐き散らかしているのを見て「わかる」ってなった。狂ったレベルで混み合い気持ち悪い温度に正確に保たれた車内で吐き気を催すのは間違いないんだ その本質的な諸問題として 今の社会が狂ってるんだから駅のターミナルで吐き散らかしたって それは仕方がないよなと思った。でも汚ねえとも思った。心の底からかわいそうだとも思った。ただただ悲しくなった。けど無かった事にした全部。

 

去年の新歓で問題を起こした情報コミュニケーション学部の3回生が半蔵門駅前の雀荘で麻雀を打っている 煙たくなった23坪のその部屋で 彼や彼の友人は「仕方がない」と思う事にして 台無しになった日常と一緒に麻雀を楽しむ事にするのでした。

亡き王女のためのパヴァーヌ

見上げた空が青くて「あれ こんな青かったっけ」なんて間抜けな顔をしてちょっとだけ空を見上げていた。家に食材のメモを忘れた事に スーパーマーケットで赤と紫の間の色をしたプラスチックのカゴを手に取った後で気付いて 慌てて家に戻った 机の上で心なしかしょんぼりしたメモが横たわって僕を待っている。合挽き肉500g(牛7:豚3) アボカド1個 トマト5個 卵2パック サニーレタス とおやつのマリービスケット これすらもメモをしないと頼りなくなってしまうから情けない。買い物の時は携帯を持ちたくないから 決まって紙でメモをする。出遅れたスーパーマーケットは人でごった返していて 僕は少し気後れもした。2階から1階に戻る時に間違って上の階へ向かうエレベーターに乗ってしまって3階に着いた。直ぐにエレベーターへ戻るのも何だか気恥ずかしいから 文房具の陳列棚をウロウロしていると 小学生ぐらいの男の子がコンパスを僕の前からひったくって レジへ持って行った。家路につく。毎日が日曜日。曜日感覚は死んだ。

 

辻井伸行が僕の前にいる トビイロケアリみたいに真っ黒なグランドピアノの前に座って。彼は深く閉ざされた眼を少し開けるそぶりを見せてから"亡き王女のためのパヴァーヌ"を丁寧に丁寧に弾き始めた。糸を通した針で寸分の狂いもなく布を縫い付けるミシンのように。でもそこには機械的な無機質さはない ただゆっくりと進む時間と飲みかけですっかり冷めてしまったコーヒーがある。彼は弾き終わると スッと背筋を伸ばして立ち上がり 僕に向かって静かにお辞儀をした それは何かのお礼のようにも見えたし 挨拶のようにも思えた。それから君も弾いてみると良いとか確かそんなことを言ったけれど 僕は残念ながらピアノは弾くことができないので 僕はピアノが弾けないんだとそれとなく伝えると「そんな事はどうでもいいんだ 君が弾きたいか弾きたくないのか そこに断絶的問題設定がある」と答えた。やれやれと僕は思って さっきまで彼が腰掛けていた古い椅子に座り 白い鍵盤の一つを軽く叩いてみた。森の匂いがした。深い森林の青い匂い 入ったらもう二度と出ることはできない 深い深い森林の匂い。困ったことになったなと思っていると目が覚めた。少し寝過ぎた。

 

もう二度と会わない人たちがいることを思い知る。遠い牧場で牧羊犬に追い回される羊たちのことを思う。何か美味しいものが食べたい。