gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

大人になった

始まる夏まで秒読みの段階の梅雨 坂道で転んでも泣かない大人になった。夜が遅くても早起きできるようになった 靴下や下着は無印で揃えるようになった YouTubeでコメントをしなくなった 貯金ができるようになった 美味しくないお酒を 美味しい 美味しい って飲めるようになった 嫌なことがあっても顔に出なくなった 人の言うことを片っ端から信じられなくなった 音楽の幅が狭くなった ラーメンを食べなくなった 約束した手紙を書かなくなった 友達と連絡しなくなった 渋谷の人混みも新宿の高層ビルにも驚かなくなった 何かと諦めるようになった あの頃のことを思い出せなくて 好きだった人のことは忘れてしまった。そうやって大人になったつもりでいた。気付いたらこんな時間だった。何だかひどく寒い でも もうどうでもいいかもしれない。猫飼いたい。

ナイトシアター

夜間上映のワクワクを忘れたくなくて。

 

5限が終わった7時過ぎに乗り込んだ電車はいつもとは逆の電車で 吉祥寺に向かう電車。車内はほとんどがサラリーマンとOL 時々女子高生が青春のその面持ちでいた。いいなあ と思った。吉祥寺はいつものごった返した感じのまま平日の夜をギラギラと照らし出してた。夜なのに明るすぎだ。何もかもをしっかりとした黒いベールで隠してくれる夜が好きな僕にとって この明るすぎる街は少々不機嫌だったけど。雑踏の地下にある映画館は甲高く鳴く閑古鳥が何匹か見えるぐらいの人の数。最近封切りになった台湾の輸入映画のチケットを買って 貼ってあるフライヤーを眺めてた。開演数分前に名物のクラフトコーラと席に着く。毎日毎日 目の回るような日々なだけに席に固定され数時間暗がりで画面を見続ける事しかできないこの時間が (空間が) とても大切な時間に感じたりする。クラフトコーラのナッツの甲高い香りと近くの席からポップコーンの甘い匂い字幕のフォントが目の端。映画が終わって外に出ると あれだけうるさかった街はしっとりして健全な夜よおかえり…駆け抜ける風を肩で切って歩く。帰りの電車でチケットの半券を何処かに落としたことに気付いた。

現実なのか はたまた夢なのか そんな趣が夜間上映にはある。また行きたくなるナイトシアターの魔力がある。

人生の意味

白くなる朝焼けの境目がとても好き。グレープフルーツジュースの味が埃まみれの部屋と一緒になる 掃除機かけなきゃ。アラームをセットした時間よりだいぶ早くに起きてしまった朝 例えばそんな朝。今日は何を着ようかなと考える。外から革靴のコツコツとする音。始まる一日!

 

曲を作っても作っても一体誰に何の為に作ってるのか分からなくて いずれ火病を起こしそう。バンドをするのか ひとりでやるのか 曲だけが溜まりに溜まって 生きてたものが死ぬ。

 

欲しかったレコードが見つかったり 行きたかったライブに行けたり 美味しいビーフカレーを食べれたりするだけで 人生の意味を感じませんか 人として 最低限度の生活のハードルを高くして ギリギリ飛び越えられるその高さで生きたい。

 

スランプなので 連続的な文章が書けない 思考の連続性が断絶される 言語活動はこういう時どうすれば良いんだろう。助けろ。飯に誘え。

パーマ

人生で初めてのパーマをかけた。

何事にも 誰にでも 初めてという機会は常について回るよ。初めてはいつだって不安でワクワクでそして少しだけ悲しくもある 少しだけな。

そんな訳で 右も左も勝手の分からない初パーマをどう乗り切るのか。これは舐められない為にも前もって準備が必要だろう!という事で色々調べた。が まったく分からない。何がどうなっててどれがどのくらいなのかどれが良くて何が駄目なのか 文字面だけではどうも伝わってこなくて 活字には自信があるはずだったんだけど ものの数分で並ぶパーマ文字に頭が痛くなった。寝た。

当日。いつも髪を切ってもらっている床屋さん もう14年間ぐらい通ってる(?) でかけてもらう事にして 川沿いをマウンテンバイクで突っ走った。春過ぎる風になってた。

いつものふかふかの椅子に座った。今日はどうするかと聞かれたから「パーマで!」とガキの勢いそのままに応えると あーはいはいみたいな感じで せっせと準備を始めた。「でどんなパーマがいいの」と急に聞くので (普通に考えてそれは聞くよね) 僕は自分の大脳辺縁系に昨日の予備知識を統括してあり得るべき答えを要求 できないので「寝癖みたいな なんか適当に」と馬鹿みたいな顔と声色で馬鹿みたいな事を言うと 少しだけ困ったようにしてから 僕の髪に霧吹きをかけ始めた。シュッ。ごめんなさい。

変色したマカロニみたいなやつで 僕の髪の毛をグルグルにしていく その間 店にあるラジオからは山下達郎の『サーカスタウン』と間宮貴子で『真夜中のジョーク』がかかって 三回のコマーシャルを挟んで ゲストとのトークが軽はずみにゴールデンウィークの半ばを駆け回ってた。ハッとすると 僕の髪の毛は全部が全部 変色したマカロニによって巻かれていた。身体のおおよそ半分を映すその鏡には おでこをまるっきり出した間抜けな自分が表象していて 泣きたい気持ちになる。

頭皮と肌の間に青いバンダナをされて 何やら得体の知れない液体をかけられた。これで髪の毛の結合を解いているんだと言われて はあ!そんなん禿げてしまうじゃん!って内心焦りながら へえそういうものなんだねえ ってスカしてた。それからよくある 情けないビニール袋みたいな包みを頭に被されて 大仰な電子レンジマシーンが登場する。ドラマでしか見た事のなかった電子レンジマシーンが自分の背後に忍び寄ると それとなく興奮した。暖かい7分間を坂口安吾の『堕落論』で溶かす。また得体の知れない液体をかけられて (これはもう一度髪の毛を結合させる為のものらしい そんな簡単に結合したり解散したりしてたまるかよと思うけどそういうものなのだろう) ワンモアセブンタイムは是非とも巷のダンスミュージックで縦ノリをキメたかったが あまり動いてはいけないらしく 堕落論に飽きた僕は居眠りした。

変色マカロニを全部外されて あられもない濡れた髪の毛が無造作にグルグル巻きになっている。前髪が無くなってしまっているし 所々頭皮丸見えだし めちゃくちゃチリチリだし もうすぐにでも亡くなりたくなった。それでも うんいい感じにかかったとかぬかすから コイツ逝ってるわ…って思いながら絶望を奥歯で噛み締めてた 悔しさをバネにとびっきりのボールペンを作ろうと決意してた。

でも 頭を洗って ドライヤーをかけると どんどん思い描いていた パーマのそのヘアになっていって 何だかめちゃくちゃ楽しかった。魔法ってのはこういうことだね。

 

大満足の初パーマを優しく撫でながら 帰りはマウンテンバイクを押して帰った。夕陽が妙に優しかった。新しい自分 みたいなよくある感覚が身体中に巡って 一人でふふふと笑った。弟に 田舎の父方のおばあちゃんみたいだと言われてうっかり殺したけど 全然満足なんでオールオッケーです。

可愛い猫

可愛い猫を飼いたい。まだ小さいその身体を抱きかかえながらダイ・シージエの『バルザックと中国の小さなお針子』を読む。そんな日々を夢にまで見る。あ〜可愛い猫〜可愛い猫しか正義じゃない。頭を撫でると目をぎゅっと閉じて 首を少し傾ける 親指を動かす形で頭を撫で続けるが 突然ぷいと僕を背にしてどこかに行ってしまう。そんな可愛い猫が可愛い。いつか大きくなって あまり動かなくなった可愛い猫 僕は大きくなったその身体をやっぱり丁寧に撫でながら「大きくなったなあ」と声をかける それに応えるようにぐうと低く唸った可愛い猫は 昔のようにぎゅっと目を閉じて そのまま目を開けない。可愛い猫はずっと可愛い。

 

ゴールデンウィークに足を取られて日常に戻れない そんな光景が明けに待つのを考えるだけで憂鬱になる 適度な課題と休息によって得られる予防線を張る。好きなカフェで好きな本を読んでいる マスターも好きだしコーヒーも好き 好きな人が一緒にとかは実はまったく思わない 好きな人なんていない。悲しくもない。割と気楽な語学の勉強をしてる感覚…

 

平成が終わるなら 世界も終わらないかな とか東松原で電車を待ちながら思ったけど まだ読み終わってない本も ライブに行けてないバンドもあるし いや終わっちゃダメだな と冷えた頭で思った。「平成最後の」(?)

セルフ文字列安眠法

寝れないので電話をかけたのに 出ないのは寝ているからで。明日も早いのは分かってた。何だか無性にお腹が空いて 空が黒いから暗くて 衣擦れの音だけが部屋の音 カップラーメンはないので 鳴る腹を抱えてグレープフルーツジュースを結構飲んだ 100%のやつ 寝ないと と思えば思うほど寝れなくなるよね なんだろうね アレ。

 

上手くいかない事ばっかりだよ 恥ずかしい事も多い もっとずっと上手いことやれないかと いつもいつも考えている。もっとなんか伝えたい事があって それは好きな人にとかだけじゃなくて 色々な人 会わなくなった人とか 新しい友達とか 大人の人にとか 伝えたい事があるんだけど 上手くいかない うんうん唸って 悩みは膨らむし一日が終わるのが早い。

 

ヒゲを伸ばしてると「真面目に気持ち悪い」と真面目な顔をして言われるので ヒゲはこまめに剃るようにしてるけれど なかなか面倒臭い そして好きな俳優がヒゲを伸ばすのは 嬉々として受け入れているのをみると 複雑な気持ちになる。怒鳴って 懲らしめたくなる。

 

カネコアヤノの「愛のまま/セゾン」のディスクツーの さいしんライブ音源で唸った!ガシガシしてるライブの感じそのまんま。祝祭のバンドセット本当にいかしてる 格好良すぎる。

 

こうして自分で産出した文字の列を見ていると眠たくなってきたような そんな気がするので そんな気がしているうちにさっさと寝てしまおうと思います。セルフ文字列安眠法。

 

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とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)

知らない人が過ぎては消えてゆく。駅名を見ようと車窓を覗くとタイミングが悪く コンクリートの無機質な柱が視界を遮った。遠い外に見える広く青い空とは相反して狭く低い屋根の車内は人間の尊厳を疑うべき構造をしている。例えばこんな時に「ああ自分は今東京にいるんだな」と今更気付いたように実感が体感として表層する。

 

「こあっと」という定食屋がある。明大前から少し外れた代田橋の方。時代錯誤のブラウン管のTVから見たことのない刑事ドラマが流れていて テーブルクロスはライトグリーンのチェック柄 とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)日替わり定食があって 親子三人で切り盛りしている。こあっとの隣にはこじんまりとしたミニストップがあり 今年の目標である"ソフトクリームめちゃくちゃ食べる"を実行するに相応しい立地のこの場所が僕はすぐに好きになった。

 

「あなたが好きだと言ったから髪を短くした」女の子の覚悟に今更気付いてアホだなって。中学生の頃 君の名字を街中で見かける度に胸が苦しかった。あの頃の感覚を取り戻せ。

 

いくら本を読んでも 自分の無知に絶望する 机の上だけで街に出ないから絶望も良くならない。煩わしいだけの人間関係はくだらないと思う。溜息。花冷えで桜がすっかり散って葉が青い。偶然に席が隣だったあの子と一度スキンシップを図ってみたい。消えかかり点滅する街灯の脇にショッキングピンクの縄跳び。安売り。鳩が何かに食い散らかされているのを見た極めてグロテスクな映像。恐怖と不安で酒と睡眠薬のファンなんで。

 

白けきった木曜6限 教育行政学の授業をシューゲイザーでぶっ殺したい衝動!