gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

喫茶店

猛暑日暑すぎ 喫茶店でクリームソーダ飲みながら溶けた脳みそを治してる 先に窓に近い四人がけの席に座っていた神妙な面持ちで俯いている二人はそれとなく別れ話を始めて 喫茶店で別れ話なんて小説みたいなカップルだと思った「あなたの事ばかりだとなんだか足元がおぼつかない」と女の人が言っていたのが聞こえてしまって 強烈で何だかこっちまで悲しかった 聞き入ってしまったがためにクリームソーダはダラダラに溶けて緑の美味しいやつとアイスクリームはどこまでも一緒にその境界線を曖昧にして混じっていた そのうち男の人はいなくなっていて机にはしわくちゃの千円札と飲みかけのアイスコーヒーが置かれていた 彼女は窓の外の夕日が沈みそうな でもまだまだ暑いアスファルトの街並みを覗きながら頬杖をついてミックスジュースをストローで飲んでいた。八月は夏、大きい雲。花火が遠い音。酷く暑い、けど猫かわいい。

フィラデルフィアのベッドメイキング

イライラして六月の首を絞めにかかったからもうすぐ六月が終わる アイツは死ぬ。雨は良いんだけど 風、お前はダメ。許せない。梅雨より丸香のうどんの方が好き。おでこにニキビができた ちょうど髪の長さで隠れるソレは自分だけが知ってる秘密みたいな ハリーポッターが「内緒だよ」って言って見せるおでこの稲妻の傷みたいな そんな誇らしさが不思議とある 不思議と。公園の野良猫がいなくなった シマシマの子がいなくなった 小さい声でゴロゴロ鳴いてたのに きっと長い雨が続くから大きな木の下にでも避難しているんだろうけど 帰り際にすり寄ってきた身体を突き放すあの瞬間ばかり思い出してしまって無性に悲しくなる シマ…雨があがったら帰ってきてね…

 

ぬかるみから足を抜こうとしてどんどん深みにはまっていく夢からビルの屋上で泣き崩れる夢にスイッチする。その他にもテレビのチャンネルを切り替えるようにして色々な情景が浮かんでは変わる ガンジス川の沐浴 ライン前線の地獄 ベルリンの大聖堂 フィラデルフィアのベッドメイキング 東京の雑踏 人と人 動物の屠殺 かけがえのない子ども 部屋の片隅で笑う眼鏡 うんざりして目を覚まそうとするんだけど 目が覚めない そのうち泣きたくなって 誰かが助けてくれるのを待つけど 誰も助けてくれないから猫のことを思い浮かべて気を紛らすんだ。そうしてるうちに楽になるから。大丈夫になる。

 

写真の良いところは 残る ところで 写真の悪いところは 残ってしまう ところ。そういう自己矛盾を孕むのが写真というツールだということに 最近になって気付きました。怖いが、好き。

 

長めの文章は眺めが良いから好き。好きなものだけを多忙の隙に、好きなだけ入れたいyo チェケラ〜〜 (これ書いてるの丑三つ過ぎなんで素面じゃないですよテンション)

大人になった

始まる夏まで秒読みの段階の梅雨 坂道で転んでも泣かない大人になった。夜が遅くても早起きできるようになった 靴下や下着は無印で揃えるようになった YouTubeでコメントをしなくなった 貯金ができるようになった 美味しくないお酒を 美味しい 美味しい って飲めるようになった 嫌なことがあっても顔に出なくなった 人の言うことを片っ端から信じられなくなった 音楽の幅が狭くなった ラーメンを食べなくなった 約束した手紙を書かなくなった 友達と連絡しなくなった 渋谷の人混みも新宿の高層ビルにも驚かなくなった 何かと諦めるようになった あの頃のことを思い出せなくて 好きだった人のことは忘れてしまった。そうやって大人になったつもりでいた。気付いたらこんな時間だった。何だかひどく寒い でも もうどうでもいいかもしれない。猫飼いたい。

ナイトシアター

夜間上映のワクワクを忘れたくなくて。

 

5限が終わった7時過ぎに乗り込んだ電車はいつもとは逆の電車で 吉祥寺に向かう電車。車内はほとんどがサラリーマンとOL 時々女子高生が青春のその面持ちでいた。いいなあ と思った。吉祥寺はいつものごった返した感じのまま平日の夜をギラギラと照らし出してた。夜なのに明るすぎだ。何もかもをしっかりとした黒いベールで隠してくれる夜が好きな僕にとって この明るすぎる街は少々不機嫌だったけど。雑踏の地下にある映画館は甲高く鳴く閑古鳥が何匹か見えるぐらいの人の数。最近封切りになった台湾の輸入映画のチケットを買って 貼ってあるフライヤーを眺めてた。開演数分前に名物のクラフトコーラと席に着く。毎日毎日 目の回るような日々なだけに席に固定され数時間暗がりで画面を見続ける事しかできないこの時間が (空間が) とても大切な時間に感じたりする。クラフトコーラのナッツの甲高い香りと近くの席からポップコーンの甘い匂い字幕のフォントが目の端。映画が終わって外に出ると あれだけうるさかった街はしっとりして健全な夜よおかえり…駆け抜ける風を肩で切って歩く。帰りの電車でチケットの半券を何処かに落としたことに気付いた。

現実なのか はたまた夢なのか そんな趣が夜間上映にはある。また行きたくなるナイトシアターの魔力がある。

人生の意味

白くなる朝焼けの境目がとても好き。グレープフルーツジュースの味が埃まみれの部屋と一緒になる 掃除機かけなきゃ。アラームをセットした時間よりだいぶ早くに起きてしまった朝 例えばそんな朝。今日は何を着ようかなと考える。外から革靴のコツコツとする音。始まる一日!

 

曲を作っても作っても一体誰に何の為に作ってるのか分からなくて いずれ火病を起こしそう。バンドをするのか ひとりでやるのか 曲だけが溜まりに溜まって 生きてたものが死ぬ。

 

欲しかったレコードが見つかったり 行きたかったライブに行けたり 美味しいビーフカレーを食べれたりするだけで 人生の意味を感じませんか 人として 最低限度の生活のハードルを高くして ギリギリ飛び越えられるその高さで生きたい。

 

スランプなので 連続的な文章が書けない 思考の連続性が断絶される 言語活動はこういう時どうすれば良いんだろう。助けろ。飯に誘え。

パーマ

人生で初めてのパーマをかけた。

何事にも 誰にでも 初めてという機会は常について回るよ。初めてはいつだって不安でワクワクでそして少しだけ悲しくもある 少しだけな。

そんな訳で 右も左も勝手の分からない初パーマをどう乗り切るのか。これは舐められない為にも前もって準備が必要だろう!という事で色々調べた。が まったく分からない。何がどうなっててどれがどのくらいなのかどれが良くて何が駄目なのか 文字面だけではどうも伝わってこなくて 活字には自信があるはずだったんだけど ものの数分で並ぶパーマ文字に頭が痛くなった。寝た。

当日。いつも髪を切ってもらっている床屋さん もう14年間ぐらい通ってる(?) でかけてもらう事にして 川沿いをマウンテンバイクで突っ走った。春過ぎる風になってた。

いつものふかふかの椅子に座った。今日はどうするかと聞かれたから「パーマで!」とガキの勢いそのままに応えると あーはいはいみたいな感じで せっせと準備を始めた。「でどんなパーマがいいの」と急に聞くので (普通に考えてそれは聞くよね) 僕は自分の大脳辺縁系に昨日の予備知識を統括してあり得るべき答えを要求 できないので「寝癖みたいな なんか適当に」と馬鹿みたいな顔と声色で馬鹿みたいな事を言うと 少しだけ困ったようにしてから 僕の髪に霧吹きをかけ始めた。シュッ。ごめんなさい。

変色したマカロニみたいなやつで 僕の髪の毛をグルグルにしていく その間 店にあるラジオからは山下達郎の『サーカスタウン』と間宮貴子で『真夜中のジョーク』がかかって 三回のコマーシャルを挟んで ゲストとのトークが軽はずみにゴールデンウィークの半ばを駆け回ってた。ハッとすると 僕の髪の毛は全部が全部 変色したマカロニによって巻かれていた。身体のおおよそ半分を映すその鏡には おでこをまるっきり出した間抜けな自分が表象していて 泣きたい気持ちになる。

頭皮と肌の間に青いバンダナをされて 何やら得体の知れない液体をかけられた。これで髪の毛の結合を解いているんだと言われて はあ!そんなん禿げてしまうじゃん!って内心焦りながら へえそういうものなんだねえ ってスカしてた。それからよくある 情けないビニール袋みたいな包みを頭に被されて 大仰な電子レンジマシーンが登場する。ドラマでしか見た事のなかった電子レンジマシーンが自分の背後に忍び寄ると それとなく興奮した。暖かい7分間を坂口安吾の『堕落論』で溶かす。また得体の知れない液体をかけられて (これはもう一度髪の毛を結合させる為のものらしい そんな簡単に結合したり解散したりしてたまるかよと思うけどそういうものなのだろう) ワンモアセブンタイムは是非とも巷のダンスミュージックで縦ノリをキメたかったが あまり動いてはいけないらしく 堕落論に飽きた僕は居眠りした。

変色マカロニを全部外されて あられもない濡れた髪の毛が無造作にグルグル巻きになっている。前髪が無くなってしまっているし 所々頭皮丸見えだし めちゃくちゃチリチリだし もうすぐにでも亡くなりたくなった。それでも うんいい感じにかかったとかぬかすから コイツ逝ってるわ…って思いながら絶望を奥歯で噛み締めてた 悔しさをバネにとびっきりのボールペンを作ろうと決意してた。

でも 頭を洗って ドライヤーをかけると どんどん思い描いていた パーマのそのヘアになっていって 何だかめちゃくちゃ楽しかった。魔法ってのはこういうことだね。

 

大満足の初パーマを優しく撫でながら 帰りはマウンテンバイクを押して帰った。夕陽が妙に優しかった。新しい自分 みたいなよくある感覚が身体中に巡って 一人でふふふと笑った。弟に 田舎の父方のおばあちゃんみたいだと言われてうっかり殺したけど 全然満足なんでオールオッケーです。

可愛い猫

可愛い猫を飼いたい。まだ小さいその身体を抱きかかえながらダイ・シージエの『バルザックと中国の小さなお針子』を読む。そんな日々を夢にまで見る。あ〜可愛い猫〜可愛い猫しか正義じゃない。頭を撫でると目をぎゅっと閉じて 首を少し傾ける 親指を動かす形で頭を撫で続けるが 突然ぷいと僕を背にしてどこかに行ってしまう。そんな可愛い猫が可愛い。いつか大きくなって あまり動かなくなった可愛い猫 僕は大きくなったその身体をやっぱり丁寧に撫でながら「大きくなったなあ」と声をかける それに応えるようにぐうと低く唸った可愛い猫は 昔のようにぎゅっと目を閉じて そのまま目を開けない。可愛い猫はずっと可愛い。

 

ゴールデンウィークに足を取られて日常に戻れない そんな光景が明けに待つのを考えるだけで憂鬱になる 適度な課題と休息によって得られる予防線を張る。好きなカフェで好きな本を読んでいる マスターも好きだしコーヒーも好き 好きな人が一緒にとかは実はまったく思わない 好きな人なんていない。悲しくもない。割と気楽な語学の勉強をしてる感覚…

 

平成が終わるなら 世界も終わらないかな とか東松原で電車を待ちながら思ったけど まだ読み終わってない本も ライブに行けてないバンドもあるし いや終わっちゃダメだな と冷えた頭で思った。「平成最後の」(?)