gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

元彼氏として

実はもう「元彼氏」でもないのかもしれない。

いや「元彼氏」であってほしい「元元彼氏」とか語呂的に致命的だし、もしかして「元元元彼氏」?いやそれじゃあもうなんか「前前前世」みたいだから。そんな悲しい事実はない前提でいないと悲しくなってしまう。

 

弟が中学二年生。中学校の文化発表会に行ってきた。中学校のアウェー感は痛いほど感じた目線が痛かった。やめて。

俺が中学二年生の時何やってたかって菜種油絞るみたいに思い出してみれば「クラス内対抗騎馬戦大会」の開催者兼会長をやってた。何だそれ。クラスの男子に二人一組になってもらって勝ち上がりトーナメントで騎馬戦してた、優勝者にはカントリーマアム一袋。何だそれ。

それと好きな子が、おんなじクラスだった。

 

いつもは眼鏡を掛けてて、おとなしい子だった。教室の隅で一人おしとやかにアガサクリスティー読んでるような。吹奏楽部であの辺のグループで「ふふふっ」って静かに笑ってる。フルートだったかプルートだったかよく覚えてないけど丁寧に楽器を扱う子だった。がさつな野球少年だった俺とは縁もゆかりもないような。

 

合唱コンクール、その子は伴奏者。俺は男子、真面目にやるわけがない。「ねえ!男子ちゃんとやって!」が響いた教室はあれはなんだ漫画だったの?それとCDプレーヤー勝手にいじってラジオ聞いてたら担任の先生に上履きを投げつけられて走って逃げた。大人の本気は怖かった。伴奏者のその子は本番、眼鏡を外してた。あの頃の俺はそれを好きだと思った。結果は最優秀賞だったっけ、なんか賞はもらった。その子の弾くピアノも好きだった。

 

それからその子が俺のことを好いてくれてると、友人が教えてくれたのはもうちょっと先の事なんだけど。まあなんでもいいけど、俺はその子の、中学生の恋心をきっと台無しにした。嘘をついて、見栄を張って、誤魔化した。謝るタイミングはいくらでもあった、謝れなかった。ちゃんとクソガキだった、どうしようもない。それでも今ならきちんと謝れそうだとか、そんな事を思ってるけどきっとあの子は顔も見たくないだろう。わかる。それな。ごめんな。

 

こんな事をこんなとこに書いてるから、恥ずかしいやつだ女々しいやつだ、と散々言われるのだろうけど別にいいんだ俺は意気地がないんだそうだよそうですそうです意気地どころか何にもないですよそれでいいよもうそれでいいよ。

 

ここまでを吹奏楽部の演奏発表を聴きながら、フルートを吹く名前も知らない女子中学生を見ながら、その子の影を見ながら思った、ぼんやり。隣で母は泣いてた「一生懸命やっているのがクる」らしい。歳はとりたくない。

 

ショックなのか嬉しいのか分からないけど、先生たちは誰一人として俺のことを一発で思い出してはくれなかった「痩せて」「髪が伸びて」「服がきちんとしてる」なら別人に見えるんだって、雰囲気が違うんだって。俺は変わってないつもりだったけどいつのまにか全然違う人になってたらしい。吉川晃司から齋藤飛鳥ぐらい。できれば、元彼氏として、君にはあの頃のままでいて欲しい、眼鏡もそのまま。え?外した方が良かったんじゃないのって?今、あれ、俺、眼鏡フェチなんで。え?は?なに?最低?