gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

人が一人死んだ

タラレバの連続で人生は進む タラレバの後悔を拭えないまま。でも人間は内臓や脳機能のその複雑性に反して精神に関しては存外単純な生き物だから タラレバの先に何か少しでも一つでも良いことがあれば それで報われた気になる。安上がりだ 小汚いチェーン居酒屋のチューハイ。

 

卒業ライブが終わって 白浜に打ち上げられたクラゲのように今日は虚無に身を任せてた 虚無に抱かれてた めちゃくちゃな喪失感 こんなの何ものにも取り返せねえんじゃねえかってぐらいの 人が一人死んだぐらいの。フィルムカメラを二機 デジタル一眼を一機 持参したけど 結局慌しくて ミノルタのいつものやつしか使わなかったな 勿体なかったかな。今日フィルムを現像してもらってるうちに 何となく高校に足を伸ばした 合唱コンクールで校舎には誰もいなくて 気配のない学校の雰囲気は異質だった 音楽を聴きながら駅に戻っていたら 幼稚園生が川沿いを列にして歩いていて それを見ていたら 泣いてしまった。

 

色んなものに手を出してきた。読書に映画 釣りにレコード 雑貨収集やアニメにスポーツ 音楽もその山の中の一つ。正直音楽が一番楽しい。上達も早いし 分かりやすいし 曲も何曲かスラスラ作れた あわよくば音楽で上手いことできるかもしれないと 思ってた。でもそれはとんだ勘違いだった。驕り高ぶり 慢心と歪んだ自信に気付いた僕はここで自分の音楽性に見切りをつけるべきなんだ。挫折!

 

久し振りに会った 意外と普通に話せて 驚いた。花束を貰えて「話しかけてくれてありがとう」と言ったあの子の眼の下には軽い隈が見えて 心配になったけど そんなのはもう 僕の役割じゃないんだろう。

 

ありきたりな事しか言えないのはつまらないと思うけど ありきたりな事すら言えないのはもっとつまらないと思った。

 

何かもっと書きたい事があった筈だったんだけど。

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艶やかに雨に濡れる

曜日感覚は失われて 残ったのは呑気な思考とそこはかとない焦燥感だけ お金は無いしやる気も無い 日足が伸びる今日 バイタリティな少年が「玉虫は在来種 玉虫は在来種」と繰り返していた。そうかいそうかい。よく分かったよ。

 

深層心理に辿り着きたい女の子が実践躬行するのは心理テストである。先日 まんまとかまされ恥辱の限りを尽くした。僕は決して子供が80人欲しい訳じゃない。そんなの 馬鹿馬鹿しい。

 

桜前線が北上する。雪融けが水を産む。花が咲き 朝に萌え 夜に映え 艶やかに雨に濡れる。しかれども ひと月が変わり 風は強くなり やがて花は散るのだ。それ故にこそ花は美しい。ダラダラと惰眠を貪り 慣習に縛られ 医学の進歩にすがり寿命を延ばす人類より 格段に格別に。

そんな春。春分の日にあたる3月21日 湘南bitという地下ライブハウスにて 卒業ライブがあって スタートは14時から。誰かに来て欲しいんじゃなくて あなたに来て欲しい。そんな感じです。

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落武者店主の懇志

「書を捨てよ、街へ出よう」と言ったのは 寺山修司であった。然し乍ら場合は違う「書を捨てよ街へ出よう そして街で書を拾え」ぐらいの触感であり 散歩に出ても古書店 或る用事で出掛けるにしてもブックセンターである。積み本は間断無く増える一方であり そろそろ"罪本"である。いい加減にしろ。して今日も有隣堂で定期開催されている古書展にさも詩仙李白の釣り針で釣られるようにして脚が向かう。藤村の"落梅集"を古書の大海原の中から見つけ出し 加藤周一の"羊の歌"を新書の砂漠から探し出し 人を突き退けるようにしてレジスタを目指す頃にはまったくクタクタであった。レジスタの番人を果たすは接客において小噺が多いと世評のある落武者店主の御人であった。前回の古書展は気遣わしく無く行かなかった事から 多少の気難しさとご無沙汰の間柄である。「加藤周一の"羊の歌"は下巻が無いからこの値段なんですよ」と云うのが落武者店主だと気付くのには数秒を須要とした「お久し振りです」と云うと「卒業おめでとう御座います」と応えた「有難う御座います」と云うと「大学は何方まで行かれるのですか」と物問われた。駿河台だと応えると「明治ですか」と云う。どうも察しの良い落武者である。その後 落武者店主が中央大学の旧学徒であった話譚をパッキングの隙間に入れていくのを起用だ比興だと質朴に思うと同時に烏兎が過ぎるようであったのに確かに私を覚えていた落武者店主の懇志を感じた。14日迄の古書展にまた釣られてみるのも良いのかもしれないと軽妙な財布を見て思う。さて金が無い。

 

追記 写真は古書展で売っていた 1980年円谷プロで製作された快獣ブースカ人形である。80年代 資本主義における大量生産の到来が感じられる一枚 その表情は些か哀しげである。

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これにて

好きな人がいて 嫌いな人がいる 好きな曲があって 嫌いな曲もある いつだって時間は過ぎる 同じような時間が過ぎる 冬が終わると春が来るように始まりがあれば終わりは来る 気付くのはいつだって終わった後だけど 別に気にしてない。

 

卒業アルバムの寄せ書きに書かれた一言一句をなぞるように読んでいる 好きな人たちが好きな事を書いてんだから にやけてしまう 嬉しいなと思う 悲しいなとは思わない 卒業したくないわけじゃない ただ何か 呆気なさはあるかも。

ずっと一緒にいてくれた友達がいる 油そばも好きなバンドもバレーも一緒だった 春は慣れない遠足の帰りにヘトヘトで油そばを食べて 少しだけ泣きそうになった 夏は好きなバンドのライブに行った 帰りの電車であの曲のこのアレンジがとか新曲がどうだとか そんな事をふざけながらずっと話してた 秋は自転車を飛ばして家路を帰った 最後の文化祭に来てくれた 冬は去年の雪辱を晴らしてくれた 優勝した彼は本当に嬉しそうで 3位だった僕も一緒になってハイタッチをした。

きっと彼がいなかったらもっとつまらない生活過ごしたんだとうすら寒くなる こんな事言ってるから駄目なんだ 普通のありがとうが言えない ありがとう。

最後は心臓破りの坂を登ってマックフルーリーを食べに行った 因縁のスシローでリベンジしたら お腹が痛くなってイチジク浣腸 笑って帰った。

 

上手い事書けてないな センチメンタルは専売特許だから 今夜は浸らせてくれ 三年間の激闘を終えて日々は過ぎる 二度と今日の明日は来ない もう全部愛してるって事でめでたし 愛でたし。

ジンジャエール

終わりって感覚が鈍い。今日 人生最後の予備校の授業が終わってみて心底そう思う。五年通った予備校だった 台風の日も猛暑日も雪の日も通った 今日もいつもの電車 小田原行きとか熱海行きとか 乗って向かう 簡単な挨拶といつもの雑談 感傷的にもならないいつもの感じで授業に入る 詩学ナラトロジーの授業 二万字を超えるテクストを自作してきた これは卒論より良くできたと言う 先生の顔は誇らしげで 嬉しげ。帰りの時「強く生きて、そして死ねよ」とそう伝えられる。この人はいつもそうだった。いつもが多過ぎる 帰りは歩いて帰った。

 

きっと一週間後もこうだと思う。気付かないうちに無印良品ジンジャエールの炭酸が抜けるように 終わったとて気付かない。まあでも それで良い。それが良い。

 

パパラッチの様な駐車場のライトが 点いては光ってを繰り返して 余裕の無い大人が今日も信号無視をする それを見て子供たちは息を合わせる 消える電話ボックス 建設現場のクレーンは多角的な視座を与えた 誰も外を見ない。

 

LINEが来てた「今度の日曜日は渋谷に行きたい」って 相手の予定も聞かないで それだけ 本当にさ そういうところだぞ。

透明少女

NUMBER GIRLが再結成した。

まだ上手く信じられない 唖然 ビックリした。

 

MCでテレキャスターを裏返してその上に灰皿を置き タバコを吸ってた。初めて見たNUMBER GIRL向井秀徳はソレだった。なんて格好良いんだろう しかも床にタバコを捨てないで灰皿をきちんと使うそのロックンロール加減 なんて素敵なんだろう 眼鏡もシャツもなんて素敵 と思った。不揃いなギターの音が ベースの音が ドラムの音がイントロで一つになった時 頭をマーシャルのヘッドアンプでガツンと殴られたような(ありきたりだけど) そんな衝動を覚えた この感覚はミンガスの"Moanin"を聴いた時とよく似てて いや まあそんなことはどうでも良い とにかく最高だった。

それから 僕は買ったばかりのギターで"透明少女"をコピーした とにかく弦をはち切る様に弾きながら。アルペジオのソロを弾くたびに向井秀徳になれた気がして 眼鏡をかけて 薄い色のシャツを着た。

でも 結局それしか出来なかった もちろんライブは無いし あの4人でヤってるのは見れない 蝦夷の地の 札幌の 渋谷の 福岡の あの初期衝動はもう過去のものだった その度に とても悲しくて何だかどうでも良くなった 影響を受けたバンドを聴いて うすーく笑ってた。

 

2019年になってから 何故か知らないけど 向井秀徳関連の ラジオやメディアに敏感になるようになっていた 何故かは本当に分からない 下北沢で路上ライブをやってるとTwitterで見かければ 1時間かけて下北沢まで行った 過去の動画を見返しては"Young Girl Seventeen Sexually Knowing"を聴きながら恍惚としていた カネコアヤノと向井秀徳の渋谷ツーマンのチケットを先行秒で買った 熱が上がってたんだと思う「何かが変わるかもしれない」と何故か本気で思っていた。

そして昨日 バンドで"透明少女"を演奏していた。極め付けだ。偶然が過ぎる。

 

こうした 謎の積み重ねが 偶然性を運命へと誤認させる そして僕は今年の夏 腕の一本 足の二本 骨の三本 血がなくなり 肉が朽ち 例え死んだとしても蝦夷へ渡る事を静かに誓う。今年気付いたら俺は夏になりたい。

monologue

あの 今日諸用があって学校に行ったんです その後で軽音のライブを見ようと思っていたのに 二年生ホールからするゴリゴリの音漏れが廊下や窓に響くのを聴いていたら 何だか足がすくみ 「こんな所にいて良いのだろうか」と思い 遠目から隠れるように見ていただけで コソコソ帰ったのは あまりに情けなかったので 内緒にしておいて下さい とても格好良かった 本当に格好良かった 直接言えないのが また情けない。