gd_c 1220's diary

飛ぶ鳥を落とす勢いで生きろ

セルフ文字列安眠法

寝れないので電話をかけたのに 出ないのは寝ているからで。明日も早いのは分かってた。何だか無性にお腹が空いて 空が黒いから暗くて 衣擦れの音だけが部屋の音 カップラーメンはないので 鳴る腹を抱えてグレープフルーツジュースを結構飲んだ 100%のやつ 寝ないと と思えば思うほど寝れなくなるよね なんだろうね アレ。

 

上手くいかない事ばっかりだよ 恥ずかしい事も多い もっとずっと上手いことやれないかと いつもいつも考えている。もっとなんか伝えたい事があって それは好きな人にとかだけじゃなくて 色々な人 会わなくなった人とか 新しい友達とか 大人の人にとか 伝えたい事があるんだけど 上手くいかない うんうん唸って 悩みは膨らむし一日が終わるのが早い。

 

ヒゲを伸ばしてると「真面目に気持ち悪い」と真面目な顔をして言われるので ヒゲはこまめに剃るようにしてるけれど なかなか面倒臭い そして好きな俳優がヒゲを伸ばすのは 嬉々として受け入れているのをみると 複雑な気持ちになる。怒鳴って 懲らしめたくなる。

 

カネコアヤノの「愛のまま/セゾン」のディスクツーの さいしんライブ音源で唸った!ガシガシしてるライブの感じそのまんま。祝祭のバンドセット本当にいかしてる 格好良すぎる。

 

こうして自分で産出した文字の列を見ていると眠たくなってきたような そんな気がするので そんな気がしているうちにさっさと寝てしまおうと思います。セルフ文字列安眠法。

 

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とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)

知らない人が過ぎては消えてゆく。駅名を見ようと車窓を覗くとタイミングが悪く コンクリートの無機質な柱が視界を遮った。遠い外に見える広く青い空とは相反して狭く低い屋根の車内は人間の尊厳を疑うべき構造をしている。例えばこんな時に「ああ自分は今東京にいるんだな」と今更気付いたように実感が体感として表層する。

 

「こあっと」という定食屋がある。明大前から少し外れた代田橋の方。時代錯誤のブラウン管のTVから見たことのない刑事ドラマが流れていて テーブルクロスはライトグリーンのチェック柄 とても美味しそうな(それは実際にとても美味しい)日替わり定食があって 親子三人で切り盛りしている。こあっとの隣にはこじんまりとしたミニストップがあり 今年の目標である"ソフトクリームめちゃくちゃ食べる"を実行するに相応しい立地のこの場所が僕はすぐに好きになった。

 

「あなたが好きだと言ったから髪を短くした」女の子の覚悟に今更気付いてアホだなって。中学生の頃 君の名字を街中で見かける度に胸が苦しかった。あの頃の感覚を取り戻せ。

 

いくら本を読んでも 自分の無知に絶望する 机の上だけで街に出ないから絶望も良くならない。煩わしいだけの人間関係はくだらないと思う。溜息。花冷えで桜がすっかり散って葉が青い。偶然に席が隣だったあの子と一度スキンシップを図ってみたい。消えかかり点滅する街灯の脇にショッキングピンクの縄跳び。安売り。鳩が何かに食い散らかされているのを見た極めてグロテスクな映像。恐怖と不安で酒と睡眠薬のファンなんで。

 

白けきった木曜6限 教育行政学の授業をシューゲイザーでぶっ殺したい衝動!

生活の風景

「新生活は鬱に注意!」みたいな新歓チラシ紛いの見出しの中吊り広告を惚けて見てる がっかりする程混み合った小田急快速急行藤沢行で退屈を紛らす手段が無くなった大学からの帰り道とか バイトの引き継ぎに向かう誰かの歌声がどこからともなく聞こえる物悲しい商店街とか 440円の油淋鶏定食を微妙に騒がしい学食でひとりで食べている時とか 家でマーチンの11.5 コンパウント弦が張られたアコースティックギターの音とか 発狂したくなる もう全部 和泉多摩川のあのゴミ箱に投げ捨てて それでビニール袋を頭から被ってマンションの3階から飛び降りたい。赤く染まったビニール袋がモザイクのその役割を担ってる様子を善良なシチズンTwitterに拡散する生活の風景。

 

ガイダンスに終結される四月の初旬をうんざりしたけど これもひとつ通過儀礼だと自己暗示(それもかなり強いやつ)をかけて 今日も生きてるよな。本当にうんざりしている。

 

夜の22時過ぎに小田急中央林間駅快速急行藤沢行に乗ろうとした。電車から出てきたサラリーマンがふと走ったと思うと かがんだエレベーターの脇で盛大に吐き散らかしているのを見て「わかる」ってなった。狂ったレベルで混み合い気持ち悪い温度に正確に保たれた車内で吐き気を催すのは間違いないんだ その本質的な諸問題として 今の社会が狂ってるんだから駅のターミナルで吐き散らかしたって それは仕方がないよなと思った。でも汚ねえとも思った。心の底からかわいそうだとも思った。ただただ悲しくなった。けど無かった事にした全部。

 

去年の新歓で問題を起こした情報コミュニケーション学部の3回生が半蔵門駅前の雀荘で麻雀を打っている 煙たくなった23坪のその部屋で 彼や彼の友人は「仕方がない」と思う事にして 台無しになった日常と一緒に麻雀を楽しむ事にするのでした。

亡き王女のためのパヴァーヌ

見上げた空が青くて「あれ こんな青かったっけ」なんて間抜けな顔をしてちょっとだけ空を見上げていた。家に食材のメモを忘れた事に スーパーマーケットで赤と紫の間の色をしたプラスチックのカゴを手に取った後で気付いて 慌てて家に戻った 机の上で心なしかしょんぼりしたメモが横たわって僕を待っている。合挽き肉500g(牛7:豚3) アボカド1個 トマト5個 卵2パック サニーレタス とおやつのマリービスケット これすらもメモをしないと頼りなくなってしまうから情けない。買い物の時は携帯を持ちたくないから 決まって紙でメモをする。出遅れたスーパーマーケットは人でごった返していて 僕は少し気後れもした。2階から1階に戻る時に間違って上の階へ向かうエレベーターに乗ってしまって3階に着いた。直ぐにエレベーターへ戻るのも何だか気恥ずかしいから 文房具の陳列棚をウロウロしていると 小学生ぐらいの男の子がコンパスを僕の前からひったくって レジへ持って行った。家路につく。毎日が日曜日。曜日感覚は死んだ。

 

辻井伸行が僕の前にいる トビイロケアリみたいに真っ黒なグランドピアノの前に座って。彼は深く閉ざされた眼を少し開けるそぶりを見せてから"亡き王女のためのパヴァーヌ"を丁寧に丁寧に弾き始めた。糸を通した針で寸分の狂いもなく布を縫い付けるミシンのように。でもそこには機械的な無機質さはない ただゆっくりと進む時間と飲みかけですっかり冷めてしまったコーヒーがある。彼は弾き終わると スッと背筋を伸ばして立ち上がり 僕に向かって静かにお辞儀をした それは何かのお礼のようにも見えたし 挨拶のようにも思えた。それから君も弾いてみると良いとか確かそんなことを言ったけれど 僕は残念ながらピアノは弾くことができないので 僕はピアノが弾けないんだとそれとなく伝えると「そんな事はどうでもいいんだ 君が弾きたいか弾きたくないのか そこに断絶的問題設定がある」と答えた。やれやれと僕は思って さっきまで彼が腰掛けていた古い椅子に座り 白い鍵盤の一つを軽く叩いてみた。森の匂いがした。深い森林の青い匂い 入ったらもう二度と出ることはできない 深い深い森林の匂い。困ったことになったなと思っていると目が覚めた。少し寝過ぎた。

 

もう二度と会わない人たちがいることを思い知る。遠い牧場で牧羊犬に追い回される羊たちのことを思う。何か美味しいものが食べたい。

人が一人死んだ

タラレバの連続で人生は進む タラレバの後悔を拭えないまま。でも人間は内臓や脳機能のその複雑性に反して精神に関しては存外単純な生き物だから タラレバの先に何か少しでも一つでも良いことがあれば それで報われた気になる。安上がりだ 小汚いチェーン居酒屋のチューハイ。

 

卒業ライブが終わって 白浜に打ち上げられたクラゲのように今日は虚無に身を任せてた 虚無に抱かれてた めちゃくちゃな喪失感 こんなの何ものにも取り返せねえんじゃねえかってぐらいの 人が一人死んだぐらいの。フィルムカメラを二機 デジタル一眼を一機 持参したけど 結局慌しくて ミノルタのいつものやつしか使わなかったな 勿体なかったかな。今日フィルムを現像してもらってるうちに 何となく高校に足を伸ばした 合唱コンクールで校舎には誰もいなくて 気配のない学校の雰囲気は異質だった 音楽を聴きながら駅に戻っていたら 幼稚園生が川沿いを列にして歩いていて それを見ていたら 泣いてしまった。

 

色んなものに手を出してきた。読書に映画 釣りにレコード 雑貨収集やアニメにスポーツ 音楽もその山の中の一つ。正直音楽が一番楽しい。上達も早いし 分かりやすいし 曲も何曲かスラスラ作れた あわよくば音楽で上手いことできるかもしれないと 思ってた。でもそれはとんだ勘違いだった。驕り高ぶり 慢心と歪んだ自信に気付いた僕はここで自分の音楽性に見切りをつけるべきなんだ。挫折!

 

久し振りに会った 意外と普通に話せて 驚いた。花束を貰えて「話しかけてくれてありがとう」と言ったあの子の眼の下には軽い隈が見えて 心配になったけど そんなのはもう 僕の役割じゃないんだろう。

 

ありきたりな事しか言えないのはつまらないと思うけど ありきたりな事すら言えないのはもっとつまらないと思った。

 

何かもっと書きたい事があった筈だったんだけど。

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艶やかに雨に濡れる

曜日感覚は失われて 残ったのは呑気な思考とそこはかとない焦燥感だけ お金は無いしやる気も無い 日足が伸びる今日 バイタリティな少年が「玉虫は在来種 玉虫は在来種」と繰り返していた。そうかいそうかい。よく分かったよ。

 

深層心理に辿り着きたい女の子が実践躬行するのは心理テストである。先日 まんまとかまされ恥辱の限りを尽くした。僕は決して子供が80人欲しい訳じゃない。そんなの 馬鹿馬鹿しい。

 

桜前線が北上する。雪融けが水を産む。花が咲き 朝に萌え 夜に映え 艶やかに雨に濡れる。しかれども ひと月が変わり 風は強くなり やがて花は散るのだ。それ故にこそ花は美しい。ダラダラと惰眠を貪り 慣習に縛られ 医学の進歩にすがり寿命を延ばす人類より 格段に格別に。

そんな春。春分の日にあたる3月21日 湘南bitという地下ライブハウスにて 卒業ライブがあって スタートは14時から。誰かに来て欲しいんじゃなくて あなたに来て欲しい。そんな感じです。

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落武者店主の懇志

「書を捨てよ、街へ出よう」と言ったのは 寺山修司であった。然し乍ら場合は違う「書を捨てよ街へ出よう そして街で書を拾え」ぐらいの触感であり 散歩に出ても古書店 或る用事で出掛けるにしてもブックセンターである。積み本は間断無く増える一方であり そろそろ"罪本"である。いい加減にしろ。して今日も有隣堂で定期開催されている古書展にさも詩仙李白の釣り針で釣られるようにして脚が向かう。藤村の"落梅集"を古書の大海原の中から見つけ出し 加藤周一の"羊の歌"を新書の砂漠から探し出し 人を突き退けるようにしてレジスタを目指す頃にはまったくクタクタであった。レジスタの番人を果たすは接客において小噺が多いと世評のある落武者店主の御人であった。前回の古書展は気遣わしく無く行かなかった事から 多少の気難しさとご無沙汰の間柄である。「加藤周一の"羊の歌"は下巻が無いからこの値段なんですよ」と云うのが落武者店主だと気付くのには数秒を須要とした「お久し振りです」と云うと「卒業おめでとう御座います」と応えた「有難う御座います」と云うと「大学は何方まで行かれるのですか」と物問われた。駿河台だと応えると「明治ですか」と云う。どうも察しの良い落武者である。その後 落武者店主が中央大学の旧学徒であった話譚をパッキングの隙間に入れていくのを起用だ比興だと質朴に思うと同時に烏兎が過ぎるようであったのに確かに私を覚えていた落武者店主の懇志を感じた。14日迄の古書展にまた釣られてみるのも良いのかもしれないと軽妙な財布を見て思う。さて金が無い。

 

追記 写真は古書展で売っていた 1980年円谷プロで製作された快獣ブースカ人形である。80年代 資本主義における大量生産の到来が感じられる一枚 その表情は些か哀しげである。

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